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中高年女性のうつ病原因

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更年期のうつ病

仕事上のストレスや親の介護といった家族の問題など現代においてうつ病を発症する原因は男女問わず多々ありますが、中高年女性の場合は更年期障害という大きな原因も加わります。更年期に差し掛かると女性ホルモンの分泌量が急激に低下しホルモンバランスが崩れ、ホットフラッシュや動悸息切れ、頭痛やめまいといった身体的な症状のほか、強いイライラや緊張、不眠に悩まされる人が少なくありません。症状の出方には個人差がありますが、元々冷え性で全身の血液循環が悪い人は更年期障害が悪化しやすく、自律神経の働きも乱れて来るために代謝機能の低下をはじめ、内臓の不調や不眠の症状が出て来ます。不眠はうつ病と深く関わり合っているため、睡眠の質が低下することで昼間に慢性的な倦怠感を抱くようになり、更年期特有の強いイライラや極度の緊張がストレスを増大させて、日常に起こる些細な出来事からも多大な精神的ダメージを受けるようになってしまいます。さらに女性の場合、仕事以外のオフタイムも家事に追われているため心身をしっかりと休息させる時間の確保が難しいこともあり、気分の落ち込みや体調の異変に注意を払いにくくなっている面があります。結果、気が付いた時には気分が沈んでいることが当たり前で、これまで打ち込んで来た趣味などもまったく楽しく感じられなくなっているなどうつ病の只中に陥っていることがあります。更年期障害からうつ病も併発してしまう場合、早朝覚醒など不眠の症状が頻発して目覚めた瞬間から暗い気持ちになって再び眠ることができなくなり、その睡眠不足が昼間の倦怠感やストレスをさらに増大させるという悪循環からどんどん悪化して行くケースが少なくありません。更年期に差し掛かった女性はホルモンの分泌量が低下する時期に重なって、親の介護や仕事上の岐路など人生ステージの激動期も迎えるために内外からのストレスを一気に受けることにもなりがちです。その割にストレスを発散する時間を割くことが出来ず、そもそもストレス発散に気が回るほどの心のゆとりも無いために、知らず知らずのうちにうつ病も更年期障害も悪化という事態を迎えてしまいます。望ましいのは早朝覚醒など不眠の状態に陥った段階で治療を開始することですが、ストレスやホルモンバランスの乱れなど多面的な原因を持つ更年期女性の場合問題となるのは、すぐに受診したほうがいいのは婦人科なのか精神科や心療内科なのか判断がつきかねるところです。人によっては抗うつ薬では効果が今一つだったところ婦人科でホルモン補充療法を受けたところ改善したり、逆に精神科での治療のほうが功を奏したケースもあると言われます。どちらのケースでもなく、やはり中年以降の女性に多い甲状腺機能低下症が原因だったという例もあるため、女性のうつは本当のうつ病かどうかも含め、原因を見定めるのが非常に難しい面があります。病院へ行く前に診療科を決める際、可能であれば婦人科や精神科はもちろん、神経内科など多くの診療科がある総合病院を受診し、まずは血液検査でホルモン量を診てもらうなど、さまざまな診察が受けられる機会が多いほうが良いと考えられます。いずれにしても家から一歩も出たくなくなるなど更年期もしくはうつの症状が高まる前、不眠などの症状が明確になって来た段階で思い切って病院へ行くほうが、有効な治療を早めに受けられ悪化を防ぐことにも繋げられます。